頭皮ケアに石けんのワケ。石けんシャンプーのコツ
ここ数年、マスク荒れのためお肌のケアを重視しがちでしたが、頭皮のお手入れは如何ですか?
毛先を気にする方は多いですがキレイな髪を手に入れるには、健康な頭皮は欠かせません。
今回は健康な頭皮のための豆知識として、「頭皮や毛髪のしくみ」、「頭皮用化粧品と顔用化粧品の違い」、「石けんシャンプーのやり方」などを紹介します。
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頭皮と髪の毛のしくみ
「スキンケア」「頭皮ケア」と聞くと、頭皮は顔や体とは別物と考えがちですが、頭皮と顔・体の皮膚はつながっていて頭皮にも表皮・真皮・皮下組織が存在します。
ですので、頭皮にも体内を外的影響から守るバリア機能がありますし、お肌の生まれ変わりならぬ、髪の毛の生え変わりもあります。
細胞が皮下組織にある「毛細血管」から栄養を貰い細胞分裂を繰り返して髪の毛が生えて古くなったら、抜けて、また新しい髪の毛が生えてくる・・・。というのが、髪の毛の生え変わりのしくみです。
そのため、「髪の毛が抜けても、あまり心配しなくても良いのですが、気を付けたいのは、髪の毛が生えてくるかどうか」です。
髪の毛が生え変わるサイクルが乱れてしまいますと、薄くて傷つきやすい未熟な毛髪が生えてきて薄毛や枝毛・切れ毛などのダメージヘアの原因や、毛髪自体生えてこなくなることもあります。
サイクルが乱れる原因は、加齢やストレス、血行不良とさまざまですが頭部を洗浄するシャンプーは、特に注意が必要です。
バリア機能を壊すシャンプーとは
皆様は、シャンプーの成分を詳しく調べたことが、ありますか?
成分名の中に人気の美容成分の名前があると髪や頭皮にも良さそうだと思いますよね。
ですが残念なことに、それらの成分の多くは、頭皮の環境を破壊してしまう
「強い洗浄力を持つ合成界面活性剤」です。
合成界面活性剤には、本来、混ざらないはずの水と油を混ぜる働きがありその性質を利用して、台所用洗剤等にも使われている成分です。食器や鍋についたガンコな油汚れが落ちるのは、合成界面活性剤のおかげです。
この合成界面活性剤が、シャンプーに配合されていると洗剤で洗髪しているのと同じですから、バリア機能の要たる皮脂を必要以上に洗い流してしまうのです。
さらに、合成界面活性剤には、たんぱく質を溶解する働きもあります。
髪の毛や頭皮はたんぱく質ですから、合成界面活性剤入りシャンプーを使い続けると皮脂が不足し、バリア機能が破壊され、毛を生やす細胞たちが死滅してしまいます。
そうなると、頭皮には乾燥や炎症が起こり髪の毛は、前項で述べた通り、ダメージに弱い髪の毛になってしまったり、髪の毛自体が生えてこなくなってしまいます。
石けんシャンプーとそのやり方
では、頭部を清潔にしつつ、バリア機能を壊さないためには、どうするべきか?
それは、「石けんで汚れを取り除き酸性のリンスで頭皮を弱酸性に整えること」です。
お肌のお手入れを教える際「油や石けんで汚れを取り、化粧水で弱酸性に~」と言いますが、頭皮は顔・体とつながっていますので、基本的にはお手入れの仕方も同じです。
ここで言う石けんというのは皮脂を必要以上に取り過ぎない洗浄成分「カリ石けん素地」を使ったバリア機能を壊さない石けんシャンプーのことを指します。
カリ石けん素地と一緒に、合成界面活性剤を配合したシャンプーもありますのでご注意ください。
石けん洗髪後に、酸性のリンスを使うのは「頭皮に酸を与えて、弱酸性の健やかな状態にするため」です。
酸性のリンスは、顔に使う酸性化粧水と同じ役割を持っているのです。
なお、石けんシャンプーだけで、洗髪を終えてしまうと指どおりが悪く、ギシギシ髪になり、切れ毛・枝毛などの原因になってしまいます。
髪や頭皮に残った石けんカスを「酸」で溶かして、指どおりを良くすることも大切です。
難しいと思われがちな石けん洗髪ですが、慣れてくれば簡単です。
(1)洗髪前に余分な汚れを浮かせておく
まず、ブラッシングした上で、40~42℃のお湯で頭皮と髪を1~2分洗ってください。
こうすることで、余分な汚れを落とすことができ石けん洗髪のハードルがぐっと下がります。
また、初めて石けん洗髪を行う方は、シャンプー前のプレケア商品を使うとよりスムーズに石けん洗髪が行えます。
(2)石けんシャンプーでの洗髪
適度に水気をきってから、「頭皮」にシャンプーをつけて泡立てます。
髪がダメージを受けていたり、整髪料をつけていると泡立ちが悪いことがあります。
よく泡立たなかった場合は、お湯で軽くすすぎ、水気をきってから再びシャンプーをつけると、泡立ちが良くなって、1回目より洗いやすくなります。
それでも泡立ちが悪い場合は、もう一度、繰り返し行ってください。
なお、洗い流す時は、指通りが悪くなっていますので手のひらで泡を切るようにしてすすいでください。
無理に引っ張ると、抜け毛・切れ毛の原因になりますので、ご注意ください。
(3)酸のリンスで中和
石けんシャンプーをしっかりと洗い流し水気を切ったら、酸性のリンスをなじませます。
髪や頭皮に残った石けんカスは酸で溶かすことができるので、指どおりのよい髪になります。
リンスをつけたら、すぐには洗い流さず、少し放置しておきます。
この間に、体を洗ったり、歯を磨いたりすると丁度良いです。
長さや毛量にもよりますが、放置時間は1~5分くらいが目安です。
石けん洗髪に慣れていない方は長めが◎
髪の長い方は、お湯に溶かしたリンスを頭からかぶる方法もあります。
こちらも少しの間、放置しておきましょう。
なお、酸性のリンスは、レモンなどから作ることも出来ます。
放置した後は、しっかりと洗い流します。
石けんと酸ケアについてはこちらの記事->「 石けんシャンプーは酸性ケアとセットで」で詳しく説明しています。
(4)頭皮に油分を補給する
洗髪し、ドライヤー等で乾かすと、頭皮の皮脂が少なくなっています。
皮脂は、バリア機能には欠かせないものですので頭皮用ローション等で油分を補給します。
頭皮が濡れていると、水と油がはじき合って、油分補給が上手くいきませんので油分を与える際は、必ず頭皮を乾燥させてから行ってください。
なお、この時、頭皮をマッサージしますと血行が良くなり、髪の毛の生え変わりが促進されます。
石けん洗髪も大切ですが、油分補給とマッサージも美しい髪をつくる手伝いをしてくれますよ。
おまけ:頭皮用化粧品を顔に使ってもいい?
この記事を読んで
「頭皮を酸性にするなら、顔に使う酸性化粧水を使ってもいいのでは?」
と思った方、いらっしゃるのではないでしょうか?
結論から申し上げますと、
「顔用化粧品を頭皮に使うのはOK」ですが、
「頭皮用化粧品をお顔に使うのはNG」です。
頭皮用化粧品には、頭皮の新陳代謝を促し、毛髪を生やすために頭皮に程よい刺激を与える成分が配合されています。(例:センブリエキスなど)
顔の皮膚は、全身の中でも薄く敏感ですので、頭皮用化粧品を顔に使うと、かゆみ・かぶれや炎症を起こす恐れがあります。
頭皮にはちょうど良くても、顔には刺激が強すぎるのです。
頭皮は黒くありたいのに対して、顔は白くありたいので化粧品には、それぞれにふさわしい成分を配合しています。
頭皮用化粧品は、頭皮だけに使うことをおすすめします。