日焼け止めのSPF値は高いほどお肌に危険!?肌への負担が低く肌にやさしい日焼け止めの選び方
日差しが柔らかいものから、厳しいものに変わってくる時期になりました。
この時期になると気になるのは「紫外線」。
日焼けしないように、さまざまなUV対策をしている方を多く見かけます。
ところで「SPFは高いほど紫外線防止に有効でお肌をより守ってくれる」って思いこんでませんか?
前回の記事(「日焼け止めのウソ・ホント」)でも取り上げましたが、
残念なことに、答えはNOなのです・・・。
Table of Contents
SPFとは?
そもそも、SPF値とは何かご存知ですか?
SPF値とは、表皮がやけどのように赤くなる日焼けの防止効果 を表すものです。
紫外線には、光線の長さが違う「A波・B波・C波」の3種類存在しますが、C波は、オゾン層や雲に阻まれて、地上にはほとんど届きません。
A波(UVA)は、紫外線を浴びたお肌を、すぐに黒くする紫外線ですが、シワやたるみに関係していると言われています。
B波(UVB)はというと、お肌に赤く炎症を起こさせる紫外線でメラニンを増やして「シミやそばかすの原因」になるものです。
このB波(UVB)を防ぐ指標が「SPF」と呼ばれるものにあたります。(SPF:Sun Protection Facto/紫外線防御指数)
今回取り上げるのは、このB波(UVB)の防止効果の値についてです。
SPF値10とSPF値50の違いって?
上記の説明だけを読むと、「数値が高いものを買おう!」と考えがちですが
実は、UVカット率は、
SPF値5=約80%
SPF値10=約90%
と、SPF5 という一見低い数字でも80%、SPF10に至っては90%、と殆どのUVをカットしていることになります。
グラフで見るとわかりやすく、SPF値は下図のように0~5までの変化が大きく、それ以降はゆっくりと変化していき、特にSPF値20以降は、殆ど大きな違いはないことが明らかです。
日常生活では、紫外線を90%防ぐことができるSPF値10程度で、肌のトラブルを十分防ぐことができるのです。
夏場は、SPF値20程度でUVカット率=約95%程度のものを、顔など露出の多いところにつけると良いでしょう。
日差しの強い夏場などは、プラスして日傘や帽子、長袖などのアイテムを持ち歩くのもおすすめです。
SPF値30以上では、UVカット率95%から99%までの差しかありません。
というわけでSPF10とSPF50では、UVカット率という観点では10%未満の差しかないのです。
高SPF値の製品に隠れた事実〜肌への負担
SPF値50などの高い数値の日焼け止めを作るためには紫外線吸収剤や合成界面活性剤の使用が必要になってきます。
95%を99%へと近づけるためには、天然ミネラルパウダーなどの紫外線を錯乱させる成分材料だけでは数字が出せないため、発がん性を起こしやすいために配合量に制限のある紫外線吸収剤を使わなければならないからです。
しかも、その配合量を増やすために、分散剤として合成界面活性剤が必要になります。高SPF値にするために、無理な作業がふえていくのです。
さらに、ジェルタイプや乳液タイプであれば、サラッとした感触を出すため合成ポリマーが入っていることもあります。
このような成分は、肌バリアを壊したりお肌をつくる細胞にダメージを与える原因になってしまいます。
合成界面活性剤で肌バリアを壊し、紫外線吸収剤の毒性を、合成ポリマーで密閉・・・。
95%を99%にする意味はどこにあるのか、考えてみてください。
【代表的な紫外線吸収剤】
・メトキシケイ酸オクチル ・メトキシケイ酸エチルヘキシル
・ジメチルPABAオクチル ・ジメチルPABAエチルヘキシル
・t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
>>>紫外線吸収剤と紫外線錯乱剤について説明した記事はこちら
肌にやさしい日焼け止めの選び方
お肌にやさしく、リスクを最小限に抑えて日焼けを防ぐためには
SPF値は10~30程度、紫外線吸収剤なしのUVカット剤
を選んでください。
紫外線吸収剤なしのUVカット剤(i.e. 紫外線錯乱剤)には、「酸化亜鉛」「酸化チタン」などの「紫外線錯乱剤」成分が入っています。
肌表面に受ける紫外線を乱反射させてお肌への紫外線の影響を防いでくれる成分です。
紫外線吸収剤のような化学的不安定さや発がん性の心配がないので、肌への負担が少ないのが特徴です。
まとめ
「SPF=日焼け防止効果が高くお肌に良い」と思い込んでいた方にとっては衝撃的な内容だったのではないでしょうか?
今後の紫外線対策に役立てて頂ければ幸いです。
正しい紫外線の知識を持って健康的に紫外線とお付き合いしてくださいね。