マスカラの原理
19世紀初頭に開発された、当初のマスカラの原理は、
ワセリン油に石炭の粉を練り込み、それをまつ毛につけるもので、
『太く、長く』というよりは、『黒いまつ毛』にするのが目的でした。
なぜか……?
欧米人は、髪の毛と同じように、まつ毛の色が薄いのです。
目元が目立たないので、とにかく黒くして、
目元を強調したかったのです。
だから、まつ毛が黒いアジア人とは異なり、
欧米のアイメイクは今でも濃い色を使います。
今主流のマスカラは1960年代以降のもので、
業界的には「分散」といわれる技術と「ポリマー」が使われています。
アジアで爆発的人気の『より太く、より長く、落ちないまつ毛』です。
その原理は……
まつ毛につけると、まず溶剤が乾くので次第にポリマーが固まって、
カーボンブラックや繊維が固定されます。
より黒く長くするために、カーボンブラックや黒い粒子、繊維などを
より多くいれようと、分散剤として「合成界面活性剤」を使います。
もちろん、その分溶剤の量も多くなりがちです。
ん?! それでは、マスカラによる目元への負担が大きいのでは?
そうなんです。
だから、マスカラを作る上で、目元に負担が少ないということは、
まつ毛やまぶたを守るための重要なファクターなのです!