日焼け止めのウソ・ホント〜SPF値,匂いの原因,重ね塗り効果,… etc.

美肌の大敵・紫外線に立ち向かう時の強い味方、日焼け止めについて、みなさんはどれだけご存知でしょうか。また正しい使い方ができていると自信を持って言えますか。

今回は日焼け止めについて、クイズ形式で確認していきます。

日焼け止め博士になろう! クイズ編

日焼け止めに関する理解度を「成分・表示」と「使い方・紫外線対策」の2分野からチェック! 目からウロコの新情報があるかも!?

成分・表示に関するクイズ

Q1:日焼け止めの代表的な成分である紫外線吸収剤と紫外線散乱剤。吸収剤のほうが肌に良い。
ウソ? ホント?
Q2:日焼け止めのあの独特な臭い。匂いの元は成分である。
ウソ? ホント?
Q3:SPF値が高ければ高いほど肌に良い。
ウソ? ホント?
Q4:子ども用の日焼け止めは塗りやすい乳液状が便利な上に一番安全。
ウソ? ホント?

使い方・紫外線対策に関するクイズ

Q5:UVカットの化粧品、重ね塗りすればするほど効果が高まる。
ウソ? ホント?
Q6:日傘、内側の色は黒が一番、紫外線対策になる
ウソ? ホント?
Q7: UV対策にマスクも有効
ウソ? ホント?
Q8: 室内にいれば紫外線対策はしなくても大丈夫
ウソ? ホント?

日焼け止め博士になろう! 解答編

クイズへの挑戦お疲れさまでした。ここからは解答編です。

正しい知識で紫外線をシャットアウトしていきましょう!

日焼け止め成分・表示&使い方・紫外線対策クイズの答え

Q1:日焼け止めの代表的な成分である紫外線吸収剤と紫外線散乱剤。吸収剤のほうが肌に良い。

A1: ウソ 〜 散乱剤の方が肌への負担が軽くやさしい

代表的な2種の日焼け止め成分、違いを簡単にまとめると…

○紫外線吸収剤
一般的な日焼け止めに広く使われている。肌や細胞刺激の原因となるため、配合量制限がある。紫外線のエネルギーを熱に化学変化させる。

○紫外線散乱剤
酸化チタンや酸化亜鉛などの天然鉱物(ミネラルパウダー)が該当。安全性が確認され、肌への負担がほぼない。紫外線を反射させて肌を守る。

紫外線吸収剤は白浮きしない、塗り心地がいいなどの理由で日焼け止めによく利用されますが、元は印刷用インクの褪色防止剤として使われていたフェノール系やアミン系化合物。発がん性や環境ホルモンなどの毒性が少なからず指摘されています。

また紫外線を皮膚の上で一度吸収してから放出するため、肌への刺激も懸念点のひとつ。肌の上で紫外線を跳ね返す紫外線散乱剤を使用した日焼け止めのほうが肌には安全です。


詳細はこちらの記事【日焼け止め成分の違い「紫外線散乱剤」vs「紫外線吸収剤」】でも説明しています。

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Q2:日焼け止めの独特の匂いの元は成分。

A2:ホント 〜 メトキシケイヒ酸エチルヘキシル成分が匂いの元

紫外線吸収剤として日本で一番使われている成分・メトキシケイヒ酸エチルヘキシルが、独特の匂いの元と考えられます。つまり日焼け止め独特の匂いは、成分自体に起因しています。

紫外線散乱剤として使用されている酸化チタンや酸化亜鉛が匂いの元とする情報もインターネットなどで散見されますが、酸化チタンや酸化亜鉛は初めから酸化し、安定した物質。そのため、酸化が進んだり、経時劣化による変化で臭いを発生することはありません。

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Q3:SPF値が高ければ高いほど肌に良い

A3:ウソ 〜 SPF値が高いほど紫外線吸収剤配合量が多く肌への負担が大きい

PAと共に、日焼け止めのパッケージに記載されているSPF値。PAは紫外線A波、SPFは紫外線B波の防止効果を表しています。

B波は肌表面の細胞を傷つけたり炎症を起こしたりして皮膚がんやシミの原因になりますが、SPFの数値が上がるほど、紫外線吸収剤がたくさん配合されています。つまり数値が高いほど、肌に悪いのです。

数字が大きければ効果も高い印象を与えますが、SPFに関しては10以上は効果の差はほとんどありません(以下のグラフ参照)。

大切なのは塗りムラや塗り残しがないようにすること。特に耳の後ろや襟足、肩、方から腕にかけての外側は忘れがちなので気をつけて。


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Q4:子ども用の日焼け止めは塗りやすい乳液状が便利な上に一番安全。

A4:ウソ ~ 乳液状にするには、肌に悪影響を与える合成界面活性剤が必要なので危険

すーっと伸びやすい乳液状は便利ですが、合成界面活性剤がないと乳液状にはなりません。合成界面活性剤は乾燥肌に導き、皮脂の出にくい肌、弱肌や敏感肌、アトピー肌が治りにくい状況を作る元凶。皮膚が完成していない子供には危険がいっぱいなのです。紫外線散乱剤メインの日焼け止めを使ってください。

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Q5:UVカットの化粧品、重ね塗りすればするほど効果が高まる。

A5:ウソ ~ 毒の上塗りとなる吸収剤の重ね塗りより、こまめな塗り直しがベター

UVカットの化粧品を重ね塗りすると、効果を上げるどころか、毒性のある吸収剤を過剰に塗ることになります。たくさんの種類を重ね塗りするより、2~3時間おきに塗り直すことが肝心です。

UVカット化粧品を使う場合、合成界面活性剤不使用の油分多めのクリームを肌に刷り込み、ティッシュをあてて軽く肌表面のクリームを吸わせてからUVカット化粧品を塗ると肌への吸収を減らすことができます。

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Q6:日傘、内側の色は黒が一番、紫外線対策になる。

A6:ホント ~ 太陽を最も吸収する黒を選べば、光が体に当たりにくい

日傘は遮光性100%に加え、内側が黒い物を選びましょう。黒は太陽光を一番吸収する色なので、道路などの照り返しを吸収し、顔や体に光が当たりにくくなります。[6]

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Q7: 紫外線対策にマスクも有効

A7:ホント ~ マスクなどで物理的に肌を守ることも効果あり

日傘に加え、マスクなどで紫外線から物理的に肌を守ることも大切です。手袋をする、サングラスをかける、UVカットの洋服やスカーフを身につけることも、手軽に実践できる紫外線対策ですね。


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Q8: 室内にいれば紫外線対策はしなくても大丈夫。

A8:ウソ ~ 室内にも紫外線は入ってくるので、日焼け止めやインテリアでの工夫が必須

室内にいても窓を透過して紫外線は入って来ます。肌には日焼け止めを塗り、窓にはUVカットフィルムを張ったり、UVカット率の高い(80~90%)レースカーテンを付けたりしましょう。

まとめ

紫外線が一番強くなるのは、季節としては6~8月、時間的には正午ごろとされていますが、正しいUVケアをすれば、厄介な紫外線から肌を守ることができます。

日焼け止めの使い方や選び方を熟知して、太陽と仲良くなりましょう。

参考資料
[1]フォレスト出版『ウソをつく化粧品』
[2]ゼノアの日焼け止めが臭くないヒミツ:ゼノア化粧料本舗公式オンラインショップ メールマガジン2021年6月号
[3]紫外線環境保健マニュアル2020

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