肌免疫を上げるスキンケア方法 〜肌免疫とは?避けたい化粧品?

暑い夏から涼しい秋に移る季節、紫外線の影響や気候の変化でお肌のトラブルも感じやすい時期です。

そもそも肌が健康であれば環境の変化や刺激への耐性がありトラブルを感じにくいものです。

この肌の耐性のことを肌免疫といい、身体の免疫力をアップできるように肌免疫を上げることも可能なのです。

今回は、お肌の免疫機能について、免疫とは何なのか、肌から感染する病気、肌の免疫力アップの方法と共に紹介します。正しい知識を以ってすれば、肌トラブルを防いだり、トラブルが起きても冷静に対処できるようになります。

免疫とは?

免疫とは、ウイルスや細菌、異物から体を守る防御機構のことです。

免疫って、何でしょう?自然界にも大気中にも、様々な有害物が存在しているので人間も動物も、まずは体の中に、毒物が入らないような工夫を持っています。免疫とは、人にとって有害なものが体内に入るのを防ぐ、私たちが皆もっている働きのことをいいます。

侵入してしまった有害物を、「自分」と「自分ではないもの(=有害物)」と識別して、自分ではない有害物を、体の外へ追い出す。これが、免疫の働きです。

お肌にも免疫は存在しており、お肌の一番表面にある、皮脂膜と角質層という部分が、「有害物が侵入するのを防ぐバリア」になっています。

一般的には「お肌のバリア機能」や「肌バリア」、「バリアゾーン」という呼ばれ方をしています。

肌のバリア機能について詳しく説明した記事はこちら → 「基礎講座3:肌のバリア機能

皮脂膜は、皮脂腺から出てくる、油(皮脂)です。髪を洗わないとべたべたしてくる、あの油は、弱酸性でできていて有害物からの防御だけでなく、皮脂膜が、お肌を弱酸性に保ち、有害な菌の繁殖を防いでくれます。

角質層には、セラミドという堤防のような組織があり、様々な化学物質の吸収を防いでいます。

また、万が一、有害物が、角質層や弱酸の皮脂膜を突破し、お肌の内側に侵入してきても皮膚の中には体内を守ろうとするはたらきが、まだまだあります。

有害物の侵入を知らせるセンサーの役割をもつ「ランゲルハンス細胞」がリンパに有害物が入ってきたことを知らせます。

そして、侵入の知らせを受けたリンパ球が増殖して、抗体を作り出し、有害物を排除しようとするのです。

ところが、この有害物から体を守ろうとする免疫が、うまく機能しないことがあります。

原因は、加齢・ストレス・生活習慣の乱れ、冷えと様々ですが、免疫が不調に陥ると、有害物を排除しきれなくなるので肌トラブルに見舞われたり、病気に罹りやすくなったりします。

お肌から感染する病気

特に気を付けたいのは、感染症です。

感染症と聞くと、粘膜からと考えがちですが、お肌からも感染することがあり、免疫が弱っていると、より感染しやすくなります。

お肌から感染しやすいものは、

・水虫で知られる「白癬菌(はくせんきん)」

・女性は特に罹りやすい「カンジダ菌」

・一度の感染で再発を繰り返す「単純ヘルペスウィルス」

上記以外にもお肌から感染する感染症がありますが、一度感染すると、症状が辛かったり治療に時間がかかったりする厄介な感染症ばかりです。

感染症にしろ、肌トラブルにしろ衛生面を整えることは大切ですが、お肌の免疫力を上げることもとても重要です。

お肌の免疫力UPの方法

肌トラブルや感染症にならないためにはウイルスや細菌、異物といった有害物から、お肌を守ることが大切。

お肌の一番外側、角質層の「バリア機能を高めることがポイント」です。

1. 皮脂を落としすぎない洗顔をする

お肌のバリア機能を高めるためには、大事なバリア層である皮脂膜と角質層を守り強化することが大事です。

そのため、油汚れを油で落とす「コールド洗顔」が欠かせません。コールド洗顔とは、界面活性成分ゼロのコールドクリームを使ったメイク落としの方法です。

角質層を傷めずに、もう一つのバリア層である皮脂膜を強化させながら、汚れを落としてくれます。

なお、一般的な洗浄剤入りのメイク落としや、「洗い流せるコールドクリーム」は、洗浄成分や乳化剤が入っており、大事な皮脂膜も洗い流してしまいお肌のバリアを壊す原因となってしまいます。コットンや蒸しタオルで拭き取るタイプの油100%のコールドクリームが望ましいです。

2. 肌の新陳代謝を高める

マッサージをすると、お肌の生まれ変わり(新陳代謝、ターンオーバー)がスムーズになります。

生まれたばかりの新しいお肌は、バリア機能も高い状態なので、有害物や刺激に強くなっています。

油100%のマッサージクリームを使い、皮脂膜と角質層を守ります。メイクや汚れなどは上記のように拭き取り、素肌の状態でマッサージを行うのがおすすめです。

3. 肌を酸性に保つ

お肌に存在している常在菌は、肌トラブルを退治してくれる優秀な菌です。

そんな常在菌は「酸」が好物で、弱酸性のお肌だと活性化し、より肌トラブルに強くなれます

石けんなどで洗顔した後のお肌は、アルカリ性に傾いており無防備な状態ですので酸性化粧水で酸を与えて、常在菌たちが活動しやすくしてあげましょう。

4. 皮脂の補充

皮脂は、お肌のバリア機能には絶対に必要な存在です。

酸性を帯びた皮脂膜は、有害な菌の繁殖を防いでくれます

また、皮脂は角質層の隙間を埋め、有害物が入らないようにしてくれる、いわばパテの役割も持っています。酸性化粧水のあとは、皮脂型クリームで、適度な皮脂を補充しましょう。

最後に・・・

肌の免疫力アップについて説明しましたが、肌トラブルに強くなるには、もちろん内面からのケアも欠かせません。

特に、夏から秋にかけての季節の変わり目は、溜まった疲れが出やすい時期。

栄養が優先的に内臓に向かうので、末端の皮膚や毛髪は栄養不足に陥りやすいのです。

栄養補給には、バランスのとれた食事や良質な睡眠が一番ですので、生活習慣にも気を配ってみてくださいね。

お肌の免疫力アップに使える商品

*ショップメルマガ2020年9月号を一部編集して記載

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